スイス中央にある古都ルツェルンから、日帰り旅でアプローチ可能な山、リギ。アルプス群の中では低標高に属するリギは、その環境が創り出す美しさにより、いわゆるアルプスが持つものとは別の魅力があった。そんなリギでの感動をお届けする。
リギについて
ルツェルン駅~Arth-Goldau駅:約30分(鉄道) + Arth-Goldau駅~リギ駅:約40分(登山鉄道) / ルート①
ルツェルン港~Vitznau港:約60分(フェリー) + Vitznau駅~リギ駅:約30分(登山鉄道) / ルート②
ルツェルン港~Weggis港:約40分(フェリー)+ Weggis駅~Rigi Kaltbad駅:約10分(ゴンドラ) + Rigi Kaltbad駅~リギ駅:約10分(登山鉄道) / ルート③
リギ標高:1,797m
終始開けた遠景が楽しめる。空に浮いているような絶景を楽しんで。
リギの観光開拓は古く「ヨーロッパ初の山岳リゾート」と言われており、また、リギは別名「山の女王」との異名を持つ。その名の通り、訪れて納得のアルプスの絶景が楽しめる。アクセスも充実しており、時間が許せばいずれのルートもルツェルン発着で組むことも可能。
ルツェルンを起点に訪れることが出来る人気のアルプスが周辺に幾つかある。この辺のアルプスは標高がやや落ちる為、緑が映える絶景が多くなり、アクセスも気軽で容易になる。老若男女問わず、長く滞在して楽しめるのが特徴だ。
尾根伝いのルートに広がるパノラマ。
今回私は、ゴンドラと登山鉄道を乗り継いで山頂に至るルート(ルート③)で訪れた。写真はWeggis駅からRigi Kaltbad駅までを結ぶゴンドラの中から。傾斜が急なので、視界が瞬く間に変わってゆく。
Rigi Kaltbad駅は登山鉄道の途中駅と連絡している。傾斜により先の見えない線路から登山電車が現れる姿に、半分興奮と半分恐怖感。
少し上ったところで、二路線ある登山電車が並走し山頂を目指す。Arth-Goldau駅から登ってくるルート①の青い電車と、Vitznau駅(Weggis駅経由)から登ってくるルート②③の赤い電車。景色に映える。
登山鉄道線路もハイキングコースも、基本的に尾根伝いに整備されている。印象では90%以上の道のりで、パノラマを楽しむことが出来たのではなかろうか。解放感ランキングは屈指の山だと思う。
リギの山頂駅に到着後も、全く期待を裏切られる気がしない。展望台が立つだだっ広い丘があるのだが、どこを見渡しても遠景の絶景、展望台すら不要なくらい。ここは、山頂ながら緑に溢れ、ピクニックやハイキングを楽しむ人で賑わっている憩いのエリアだ。南方はアルプス山群を望める。
北方はドイツ国境の山々が見える。こちら側は特に斜面が切り立っており、空に浮いている感覚が強く味わえる。スリルを感じたい派は北方へ。
空に浮かぶ島、圧巻の遠景パノラマ。
山頂での時間を楽しんだ後、途中駅までハイキングで下山。登山電車の車窓から眺めてきた遠景を、今度は自分のスピードで味わう。
登山電車の線路も日本では考えられないところを走っているが、ハイキングルートはさらに攻める。踏み外せばサヨナラなところに道はあり、それのおかげで遠景パノラマしか視界には入ってこない。
本当に、空に浮かんでいる島にいる感覚。すごいぞ、ラピュタは本当にあったんだ。
リギは、私の中で屈指のパノラマ&ハイキングスポットに認定されました。
繰り返すが、登山鉄道の線路も攻めている。終始、パノラマに圧倒される山、それがリギ。
生命の緑、空の碧、湖の青、美のコントラスト。
流石、山の女王。その名の通りの美しさを持っていた。
写真からは想像し難いが標高はそこまで高くない。しかし、まわりに高い山が無い為に視界の開け方が半端ない。外の世界との隔絶感が抜群に強い。これがリギの魅力を引き立てているのか。
360°、遠景が贅沢に目に飛び込んでくる。目下には、湖の美しい青。視野の上方には、果てが本当に無いんじゃないかと感じる空の碧。そしてアクセントで散りばめられている生命を感じさせる瑞々しい緑。この自然美のコントラストは見ていて飽きない。
最後はいつもの乾杯で、美しい景色に酔いしれる。
緑アルプスの魅力、空の島で見つける。
高い標高、雪山、孤高、のイメージがあるザ・アルプスの魅力とは別モノ。高い高低差、生命溢れる山、豊かさ、のイメージを持つ緑アルプスの魅力を存分に感じさせてくれる場所であった。また癒されに来たいと感じさせられる山であった。
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