【シルトホルン】堂々のユングフラウ三山を一挙見、007の絶景山。

ヨーロッパ旅

アイガー、メンヒ、ユングフラウ。山が好きでスイスに来るならば、絶対的に目的地の一つとなる程人気かつ有名な三山(ユングフラウ三山と呼ばれているそう)だ。今回は、この三山を訪れるのではなく、壮大な三山の姿を拝むことの出来る絶景スポットとしてシルトホルンをログしたい。そこは、三山絶景の他にも楽しめるポイントが多い魅力ある山であった。

シルトホルンについて

<アクセス①>
Lauterbrunen駅~(バス/車)~Stechelberg駅~(ゴンドラ)~Mürren駅~(ゴンドラ)~シルトホルン駅:約45分

<アクセス②>
Lauterbrunen駅~(ゴンドラ)~Grütschalp駅~(鉄道)~Mürren駅~(ゴンドラ)~シルトホルン駅:約55分

<山頂>
シルトホルン標高:2,970m

<印象ポイント>
ユングフラウ三山の絶景、007の舞台、スリルウォーク、氷河によるU字谷

シルトホルンまでは、交通の要衝となるリゾート街のInterlaken(インターラーケン)から南下、Grindelwald(グリンデルワルト)とLauterbrunnen(ラウターブルネン)の分岐をLauterbrunnen方向に、Lauterbrunnenが今回のルートの起点となる。Lauterbrunenまではスイス鉄道でもアクセス可能だが、そこから(私が使ったルート①の場合はStechelberg駅までは車でアクセス可)はゴンドラ乗車が必須。氷河がつくったU字谷の絶壁を越える必要があるからだ。ゴンドラで標高を上げ、U字谷の谷底を抜ける頃から絶景が楽しめるようになる。

ユングフラウ三山(ユングフラウヨッホ)は、観る側と登る側どちらの視点からもお楽しみ頂きたい。登る側のログは別途紹介する。

谷を抜ければその存在が際立つ、ユングフラウ三山(アイガー、メンヒ、ユングフラウ)。

Interlakenを越えてから程なくして視野に飛び込んでくるU字谷だが、シルトホルン山頂へのゴンドラに乗り込む頃には目前に岩の壁としてそびえ立っている。谷の麓にいる故だ。まずはこの谷越え。

谷が余りに急なせいか、ゴンドラもジグザグに刻んで登る。写真は少し分かり難いが、進行方向を変えて進むゴンドラが見える。見下ろす感がその急さを物語る。

谷底を抜けると一気に景色が開ける。どこまで高度を上げれば見れるのかと思っていたユングフラウ三山もいきなり現れた。U字谷の尾根側(谷肩側?)には街もあり、日本では見れないであろう自然と人工の共存する不思議な景色にうっとり。

ここからは終始、奥の三山と手前の街の遠近感を楽しみながら高度を上げる。

シルトホルン頂上に到着、360°パノラマが見渡せる。が、やはり(意識しているからか)ユングフラウ三山が印象的だ。U字谷を挟んで向かいがすぐにそれ。鋭な山頂が3つ確認できるが、それらが左からアイガー、メンヒ、ユングフラウ。一山でも存在感が強いのに三連峰を間近で一目で拝めるのは、それらに登るのとは別の満足感がある。

過去より登山家が挑戦してきた厳しい稜線を持つアイガーの北壁、ヨーロッパで最高標高の展望台があるユングフラウヨッホとそれを挟むメンヒとユングフラウの並び、眺めているだけで時間が過ぎる。しかし、シルトホルンの楽しみはアルプスの山々の絶景だけでは無かった。

道中もワクワクが連続。

シルトホルンは映画007シリーズ「女王陛下の007」のロケ地としても有名で、山頂施設はその色を全面に押し出している。360°回転し全景を眺められるレストラン(Piz Gloria)では007に関連した装飾やメニューがあり、展示館(Spy Worlk)では当時の撮影に関係する資料や映像を楽しめ、山頂展望台(Skyline view platform)ではジェームズ・ボンド氏と記念撮影が可能だ。

山頂駅の一つ下のBirg駅では、断崖絶壁の地形を生かし、今度は上下360°方向で(違う意味の)絶景を楽しめる体験を提供してくれている。ガラスや鉄格子を用いた展望デッキ(Skyline Walk)や展望通路(Thrill Walk)があるのだが、個人的にはガラスの床が長い距離続く展望通路は名の通りスリルを感じた。

さらにもう一つ下のMürren駅であるが、Mürren(冒頭で出てきた谷肩にある小さな街)自体、閑静なリゾート地として評価されている街なのだそう。登山観光客はいるが、その谷底から一足伸ばさなくてはならない立地のせいか、確かに落ち着いた雰囲気。ユングフラウ三山を眺めながらのテラスでの休憩は、その雰囲気を味わい、ここでの生活観に少し踏み込むことが出来る。

更にもう一つ。シルトホルンへの道中の風景は、他では無い魅力があると感じた。それは冒頭から登場しているU字谷がつくる風景だ。高標高で見れる絶景に加え、低標高で見れる躍動感ある地形の変化が視界に入ってくる為、終始風景を楽しんでいられるのだ。しかもこの谷、上から見た方が分かるが深い(氷河の長年の浸食活動によるものだと考えると自然の壮大さを感じる)。絶壁の傍をゴンドラは進む為、そのスピード感と高低感を感じながら見る景色の変化は視覚以外の興奮もある。

終始楽しみを提供してくれる、シルトホルン。

ここシルトホルンは、ユングフラウ三山の一挙見という希望を満たしてくれるに終わらず、その道中に数々の魅力が散りばめられた場所であった。独特のU字谷の風景にも興味があれば、満足度の高い山旅になる。

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