カーニバル、と言うと日本人的にはリオのカーニバルがまず頭に浮かぶだろうか。カーニバル自体はキリスト教起源の祭りなので、その色が強く残るヨーロッパの国・地域でも行われていて、(リオのそれは実際に見ていないので比較は出来ないが)名が知られていないカーニバルですら十分にインパクトがある。私は、実際に生活をした町とその近所のカーニバルを目の当たりにしたが、機会があればまた絶対観に来たいと思う程印象強く残るものがあった。もっと旅行ガイドなどでも普及して良いと思う程(なぜ見かけないのだろう)、一見の価値ありだ。
そもそも、カーニバルとは?
3月末~4月末のキリスト復活記念日(日本語で表現すると変な感じだけど通称イースター)の前の断食期間に入る前の、”最後の祝宴”をカーニバルと呼ぶそうだ。
昔からお祭りの為の日だったということか。最後の祝祭となれば当然盛り上がるしかないだろう。その心意気が昔より今まで受け伝えられているのだと勝手に解釈した。
現代のカーニバル
ここで伝えるのはもちろん今の(私の知るヨーロッパVer.)カーニバル。一般的なカーニバルの特徴としては、パレード・ダンス・音楽・仮装・飲食、が挙げられる様だ。私が伝えたいのもそれに重なる。
五感を刺激されまくりの時間。誰もがカーニバルを楽しむ空間。実際に身を置かないと分からない体感。どこのカーニバルでも良いと思うので是非生で味わうのが良い。
フランスの”カーナバル”
カーニバルは各国の言語で呼び名が違う。フランスではカーナバル(Carnaval)と呼ばれる。以下、私が実際に見たフランスのその名で呼ぶ。
カーナバルは実施期間は決まっているものの、町ごとに日にちが違う(大体2月末~3月末の週末というのが私の知るカーナバルの日程)。つまり、その期間であればどこかの町でカーナバルを観られる可能性がある。祝宴という宗教的・文化的な意味と、寒く暗く長い冬が明けつつある時期の最初のイベントとしての役割と、が重なり、雰囲気としてはアガるしかないイベント。そんな思いがカーナバルからは感じられる。スケジュールチェックし、観れるならば是非観に行ってみよう。
なぜそこまで印象に残るのか。(何が魅力なのか。)
私が感じたなりの魅力をここに紹介したい。
音と色。全身で感じるカーナバルの鼓動。
その日、その開始前までは、普段の町の表情と何ら変わらない。しかし、パレード出演グループが列を成し準備が完了し始める頃、町はざわつきを見せ始める。パレード沿道には見物客が集い熱を持ち、パレード出発エリアでは出演者が一足先にお祭り騒ぎを始める。この頃には、ライブ会場さながらの賑わいが町の外からでも聞こえてくる。そして、開始を待ちに待った皆の期待が最高潮になる頃、カーナバルの鼓動が大きく脈打ち始める。出演者の様々なパフォーマンスを、見物客各々の感覚で楽む時間が始まる。なお、規模によるが数時間に及ぶカーナバルも多いので、覚悟して臨もう。

地域によるかも知れないが、パレードで強い存在感を魅せるのは大型トラックに山車を連結させたタイプ。コース一杯に陣を取り、子供の歩調くらいで進む。

出演グループがそれぞれのコンセプトで装飾した山車。乗り込む出演者の力の入れ様が感じられる。

この様な山車隊だけで20-30グループはあり、ゆっくり町中を行進する様は正にテーマパークさながら。

ディスニーランドのパレードを、100%手作りにし、近所迷惑を考えず爆音、紙吹雪、煙幕、ディスコライトを撒き散らしていく仕様にした感じ。というのは過言ではない。
お気づきだろうか、沿道の観客に紙吹雪が降り掛かっているのを。写真は未だ序盤なので目立たないが、カーナバルで公式使用が認められる紙吹雪は、観客が出演者を祝う為に撒くのみならず、出演者側が攻撃的に観客に浴びせることも。服の中まで紙吹雪が紛れ込み洗濯時に大変な目に合う程浴びせされる可能性あるので注意しよう。逆に浴びたければ、積極的にパレードにアピールすること。運が良ければ紙吹雪シャワーをプレゼントしてくれる。

それを楽しむ、紙吹雪バズーカおじさん。山車のてっぺんから沿道に浴びせ打つ。この日は、沿道の住宅の窓の中にすら発射されます。この直後、写真後ろで楽しむ老夫婦も被害者に(想像にお任せします)。

出演グループの合間合間に動く売店が紙吹雪(あと子供用のおもちゃやバルーンも販売)を供給してくれる。手持ちの紙吹雪が無くなった場合は、ここで補充出来る。残量気にせず紙吹雪は発動させよう。

ちなみに後半にもなると、パレードが通った道は紙吹雪で地面が見えなくなる程だ。

紙吹雪に並ぶ演出に発煙がある。2つ前の写真でもあったが、視界が悪いところは山車が発煙をしている。遠くにいても分かる発煙量だ。ボヤ騒ぎが出そうなレベルで発煙している山車もあるが、これも一興。発煙による視覚と嗅覚への刺激もカーナバルでは許されるのだ。

沿道の観客の楽しみしかない表情。出演者側もやりがいあるだろうな、と思う次第。しかし、発煙量すごくないか。

大型山車による演出グループの他、音楽系の出演グループも多数。こちらは動くバンド隊。ドラムが歩いてるのは新鮮。

演奏隊。刺激で言うと山車隊が強すぎるので、比較して言えば、落ち着きと整う時間を演出してくれる位置付け。とは言え、規模もあり演奏が素晴らしいので、深みで言うと音楽系の出演グループの方が面白いと言う見方も出来る。
なお、写真の様な狭い道も、既述山車隊も通行する。大型トラックと山車が住宅の壁スレスレを通過していくのも、カーナバルでしか見れない。

笛吹隊。個人的にはカーナバルの喧騒の中でひときわ神秘的な音と行進の美しさを感じた。様々なギャップを持つ出演グループの競演が、長時間のパレードにも拘らずこの場に人々を惹き止めるのだろう。

前日際/前夜際がある町も。夜のパレードでは、爆音は流石に控えられるが、その分光の演出が目を惹く。昼間とは違うカーナバルを味わえる。
写真切り抜きで伝えることが出来るのはカーナバルの一部のみ。何十にもなる出演グループが数時間にも及ぶパレート時間中、町中を祝宴の雰囲気で包み込むカーナバル。実際行かないと伝わらない味がある。そのくらい印象に残るのだ。初回のパレードを知ってから、楽しみになり、幾つかの町のパレードに足を運ぶことになった。感覚で楽しめるカーナバル、虜になること間違いなし。
熱量。カーナバルを創る人々の本気度、カーナバルを楽しむ人々のハート。
音に色、物理的なカーナバルの魅力を前項では伝えたが、もう一回り魅力を高めるのが人々の熱量に関連するものだと感じている。
カーナバルでは、(前述の爆音・発煙・紙吹雪・ディスコライト、など)規則的・理論的にはクレームも発生しそうな行為も、その日は皆が許容する。町を挙げてカーナバルを祝い楽しむのだ。カーナバルに出る側は遠慮せず主張をし盛り上げ、カーナバルを観る側は全てを楽しみ盛り上がる。カーナバルを創る人々皆が、町の規模で、本気でカーナバルを祝う。皆の心躍る感じが自分の中にも心地良く訴えかけてくる。これがワクワクが止まらない時間となるのだ。
共通するワクワク感でその場にいる人々が楽しめる空間・時間、日本であるのだろうか?山車の比喩で使用したディズニーランドなどのテーマパーク、あとは学生時代の文化祭などがそれかも知れない。境界の中だけはワクワクを共通化出来る世界が、ヨーロッパのカーニバルにおいては行事というだけで成立している。素直に楽しいことは楽しむ、ヨーロッパらしい考え方と熱量に触れることが出来る。それがカーニバルの魅力だと思う。

伝統や文化を反映しているであろう、悪魔・モンスター扮する行進隊。見た目は怖いが、こうやってカメラ目線くれたり(この後、紙吹雪投げつけてくる)、子供にはお菓子くれたり、で見物客に接してくれる。

同じく。この正体が分からないが、アルザス圏のカーナバルでは頻出のキャラクター行進隊。

応援してくれる子供には、アメちゃんをくれる。大人には、ショルダーバッグに詰まったお決まりの紙吹雪(笑)。

パレード中であっても、出演者とその友人とで記念撮影。この自由感も素敵だ。皆思い思いに楽しんでいるのが伝わってくる。

正午から始まったパレードも、気付けば夕方に。雪が降ったかの様な道の紙吹雪が楽しさを物語る。そして時間を経ても減る様子の無い観客の多さが魅力を物語る。

パレード後。この町中に積もった紙吹雪、驚くことに数日すれば綺麗に無くなる。後片付けまでがカーナバル(帰るまでが遠足、的な)。
来年もまた来たいと思わせる刺激と魅力にあふれるカーナバルである。機会があったら是非、一度観てみて欲しい。
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