ついにマルシェ・ド・ノエルの時期がやって来た。とは、大袈裟ではない。伝統・文化が生活に根付くアルザス圏の人々にとっては、クリスマスは家族との大切な時間であり、町/村を挙げて雰囲気が盛り上がる時間となる。実際に身を投じると感じられるが、クリスマスに対する本気度が他とは一線を隔す。百聞は一見にしかず。クリスマスシーズンにこの圏を訪れたら、是非、雰囲気に浸かってみて欲しい。
これから町/村ごとに表情が違うマルシェ・ド・ノエル(=クリスマスマーケット)を幾つか紹介したいと思うが、今回はログ第1弾と言うことで、最も思い入れのある町のコルマールのマルシェ・ド・ノエルを紹介したい。
でも、その前に。「マルシェ・ド・ノエルの楽しみ方(私見)」
楽しみ方は人それぞれであるが、何度見ても楽しめた私の個人的楽しみ方を紹介する。ご参考まで。
その① 時間ごとの違いを楽しむ。=昼から夜まで楽しめる。
訪れるなら、昼の顔と夜の顔を楽しもう。イメージはライトアップで彩られる夜ではあるが、マーケットで賑わう人の表情でわくわく感を感じる昼も見ないのは勿体ない。このギャップはマルシェ・ド・ノエルならでは。
昼。コルマールらしい可愛げのある伝統的町並みが前面主張、クリスマスアクセントはさりげなく彩りを加える。
夜。昼とはうって変わり、このシーズンならではの夜の顔になる。
その② 天候ごとの違いを楽しむ。=晴の日も、雨の日も、雪の日も、楽しめる。
天気が悪くても、割り切って楽しもう。もちろん、天候に恵まれるに越したことはないだろうが(この界隈の冬は結構冷える)、雨の日には濡れた地面に反射した光で妖艶さを増し、雪の日にはザ・クリスマス感を雪の白が演出してくれる。
より厳かな雰囲気になる雨の演出、これはこれで良い。
その③ 年度ごとの違いを楽しむ。=また来年も、楽しめる。
そもそも住民の為のマルシェ・ド・ノエルであり、店構えやライトアップもお色直しをする為、毎年楽しめる様にもなっている。
年で変わる雰囲気の違いを話せれば、もはや現地人。
その④ 個性を楽しむ。=つべこべ拘らなくても、それぞれの演出で楽しめる。
色々書いたが、結論、訪れれば期待を裏切られず楽しめるのがマルシェ・ド・ノエル。このシーズン、個人個人が主張するので、歩いている中で自身の感性に触れる個性を探索するだけで楽しい。
町中のホテル。ここに泊まる客はテンション上がるだろう。
何とここ、ただの民家の中庭。マルシェ・ド・ノエルの期間はどこだって魔法にかかる。
そんなこんなで、マルシェ・ド・ノエルはどうやっても楽しめる。
さて、前振りが長くなったが、これからコルマールのマルシェ・ド・ノエルについて触れる後半戦へ突中。
印象的コルマールのマルシェ・ド・ノエル① プフィスタの家下ル
ここコルマールを訪れれば、マルシェ・ド・ノエルで無くとも見に来るであろうスポットがプフィスタの家。日本人なら皆が知る、ハウルの動く城のモデルとなった建物だ。ここは、クリスマス感よりも、そのものの存在感が際立つ。
さてここで紹介したいのは、ここから南東に延びる道を下った広場。歴史的建造物であるKoifhus(この界隈、いずれも歴史的建造物の気がするが)が面する広場だ。マルシェ・ド・ノエルの時期には行けばすぐ分かる。ゴージャスながら一帯の風景に溶け込む落ち着きも兼ね合わせたライトアップが見事。ライトアップの印象で言えば、コルマールで屈指だろう。
見ての通り、上の2枚は撮影年度が違う。毎年わくわく。
ここは、雨・雪が降るとより映えるかも。
印象的コルマールのマルシェ・ド・ノエル② プチヴェニス界隈
続いても名所。上の広場から更に南東に町を横断した運河の一帯がプチヴェニス(小さなヴェニスの意)。ここはその風景自体が有名で見たことがある方も多いだろう。昼間のそのものの建造物の自然なカラフルさはもちろん、ライトアップによる人工的カラフルさもこのシーズンは楽しめる。
運河の北側から、南方に向けたショット。こんな時間にもプチヴェニスと言うことでゴンドラ運行中。水面視点から見る景色も美しそう。
一つ南のブロックに南下。夜景だと分かり難いが、ここは有名な写真スポット。
更に一つブロックを南下。マルシェ・ド・ノエルのプチヴェニスのライトアップとしては、この南端が個人的には絵画の様でお気に入り。
印象的コルマールのマルシェ・ド・ノエル③ コルマールの町並みとの融合
コルマールは人口も観光客も多い為、マルシェ・ド・ノエルの規模で言えば比較的規模は大きい部類になる。その町の賑わいとマルシェ・ド・ノエルで残っていて欲しい雰囲気とのバランスが絶妙。この場・時間を楽しむ心の弾みが町中に溢れており、町をブラブラ歩いているだけでも十分満足させてくれる。
夕暮れ時、自然の明るさと、仕事を始めたライトアップが共存する時間帯は、最もエネルギーを感じる。
露店の光が活気づく夜、町中が光に包まれる。寒く暗く長い冬のアルザスで、憩いのオアシスの様な生命力を感じる。心が軽くなる空間だ。
あらゆる場所で、光のマルシェ・ド・ノエルを楽しめる長い夜が続く。
コルマールのマルシェ・ド・ノエル
コルマールの場合、気が向くがまま町中を練り歩くのが一番のマルシェ・ド・ノエルの楽しみ方なのかも知れない。是非、生でお楽しみを。
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