【フィルスト】隠された絶景地。自然の美に囲まれる山頂世界。

ヨーロッパ旅

スイスアルプスを訪れる為の拠点町として有名なグリンデルヴァルト(Grindelwald)、ここからの筆頭目的地となるユングフラウ三山(ユングフラウヨッホ(Jungfraujoch))、これらだけでも訪問価値は十分であるが、欲を言えばそれだけで終わるのは勿体ない。複数のアルプスが連なるこの界隈は360°絶景。このログでは、グリンデルヴァルトからユングフラウ三山の反対側方向となるフィルスト(First)の絶景旅を紹介する。この方面を訪れる際にもう1日余裕があれば是非、ここフィルストをおススメしたい。

<アクセス>
フィルストへは、グリンデルヴァルトの町中にあるゴンドラ駅からアクセス出来る。
※ゴンドラ駅は、外から現地を訪れる際に使用する鉄道駅とは別の場所になるので注意。鉄道駅から町のメインストリートに沿いに徒歩10分程でゴンドラ駅に到着する。
Grindelwald~(ゴンドラ)~Schreckfeld~(ゴンドラ)~First:約30分

<標高>
ここフィルストの標高は周囲のアルプスと比較すると見劣りするが、南側はグリンデルヴァルトの谷間越しにユングフラウ三山を含むアルプスのパノラマが開かれ、北側はここから更に標高を上げる山々を目前に望め、標高数字以上の高さと絶景を味わうことが出来る。
フィルスト:1,714m

<印象ポイント>
フィルスト山頂から望む、南側アルプスのパノラマ絶景はこの旅で終始視界を楽しませてくれる。また山頂にはクリフウォーク(First Cliff Walk)なる展望台が設けられており、スリルと解放感抜群。北側アルプスに迫るハイキングルートも美しい風景に出会える。時間が許す限りハイキングを楽しみたい。

絶景の旅の始まり、フィルストルート。山頂からはアルプスのパノラマを堪能。

この旅の始まりは、グリンデルヴァルトの町中のゴンドラ駅から。駅のアクセスもゴンドラの搭乗も利便性が高く、ストレスなく出発。場所が場所(グリンデルヴァルトの町中から既にアルプスが目前に楽しめる)なので、ゴンドラに乗った瞬間から美しいアプルスの姿が楽しめる。ゴンドラはところどろこ進行方向を変える為、風景も微妙に変わるのがうれしい。山頂までの約30分も間延びすることなく到着する。

フィルストは、登山客を年中楽しめるアクティビティが充実している。その絶景を活かしたハイキングはもちろんだが、下山には、パラグライダー、ケーブルグライダー(ターザンみたいなもの)、マウンテンバイクやカートの片道レンタルも可能。ウィンタースポーツも楽しめる場所であり、冬には更にゴンドラを乗換え高標高に至ることも可能だ。
下の写真は、フィルスト山頂駅から広がるパラグライダー用の滑走広場から望む南側アルプス。なぜか、北上してきたゴンドラから見たそれよりも大きく迫る感じを受ける。

圧倒的なのは、山頂駅近くにある展望台からの遠景を臨むパノラマ絶景。中央やや右側に高く映るのがアイガー・メンヒ・ユングフラウのご存じユングフラウ三山。少し分かり難いが、その尾根沿いに右側になぞると暗い山影が見えるが、これは別ログで紹介しているチュッゲン(Tschuggen)とメンリヘン(Mannlichen)。左側、手前に存在感強く鎮座しているミッテルホルン(Mittelhorn)とシュレックホルン(Schreckhorn)。これらアルプス連峰を一気見出来る、正にパノラマ絶景がここで手に入る。私は幸い、良い日和に、山頂の宿泊施設で一泊出来たので、この絶景を到着の午後から翌下山の正午頃まで、丸一日堪能させて頂いた。時間と空模様で変わる彩り豊かなこのパノラマ絶景を僅かではあるがご紹介したい。

まずは山頂到着して間もなくの昼下がり。北側は高標高のアルプスが背後にある為、この辺りは早い時間からその陰となってしまう。南側の陽とのコントラストが印象的。

夕方。雲の間から差し込む夕日が部分的に山肌を照らし幻想的な風景に。

日没直前。その夕日はより赤く、山頂を照らしていた。

一日跨いで夜明け前。静かでモノトーンな風景だが、徐々に明るくなるのを見るのも楽しい。

日の出。朝の赤は、見える範囲で山肌には反映されない為、空とアルプスとの境界がビビットに。絵に描いたような彩である。

午前中。空が青く、南側アルプスは影を持ち、山頂の万年雪だけが白く反射する。いわゆるアルプスと言う景色を楽しめる。

スリルと解放感を感じるクリフウォーク。絶景の感じ方にもスパイスを。

上の写真で気付かれた方もいるかも知れない。フィルストは、その売りである美しい絶景(だと少なくとも私は強く思う)をスリルと解放感を交えて感じる展望台も設けられている。クリフウォークと名付けられたその展望台は、名の通り、崖に設けられている。ご覧の通りである。構造としては、日本ではまずあり得ない。

クリフウォークから、北側の視界。スリル感が伝わるだろうか。そして緑が美しい。

北側をパノラマで。後述するが、アルプスの連峰に沿ってハイキングルートが設けられている。西端まで行けば、別の下山ルートにも至ることが出来る。ハイカーには堪らないルートだ。

このクリフウォーク、南側の終点部が山のラインから張り出した形の展望台となっている。その場に行くよりも、近くで見ている方がスリリング。是非、ここは記念に1枚納めたい。

少し引いたところから。高所恐怖症の方は”あそこ”に行けないかも。背後にユングフラウ三山が迫る。

想像容易いが、ここから見る絶景のパノラマ感は、スリルと解放感がスパイスになっているのだろう、抜群だ。ただこちら、人気がある場所なので、ゴンドラ稼動中の日中はずっと居座れる訳ではない。絶景をゆっくりのんびり堪能する意味では山頂泊がその価値を発揮する。既述、パノラマ絶景の時間の移り変わりを堪能するのも然りだ。

一足も二足も伸ばしたい、自然の美を楽しむハイキングルート。

今回は、ハイキングの目的もあり山中泊とした。と言うことで、ハイキングデーの朝。暖かい赤の光で照らされる緑の美しさが映える。気持ち良く、ハイキング出発。

前日は眺めるだけであった北側アルプスに沿って走るハイキングルートに足を踏み出す。どんな絶景が待っているのか、ワクワクしかない。

少し進んで出発地を振り返る。この時間、ミッテルホルン(調べたら3,702m、富士山級)の山影が広い範囲に影を落としている様が見える。理解を越える遠近感による麻痺の様な不思議な感覚もある。クリフウォークの主張がここまで伝わるのも面白い。異次元世界に身を置けている様な何とも言えない感覚、しかしそれは、贅沢な感覚に繋がっている。

期待を裏切らないアルプスの絶景を終始眺めながらのハイキングルート。

1時間程の距離だろうか、こんなところに湖(Bachalpsee)が現れる。近づくと分かるが透明度が高い。当日は、水の流れも風の流れも弱く、湖面は穏やか。背景の若い緑を鏡の様に映し出している。

アルプス方向版も。正に絶景。絵に描いた様な美しい景色を、登山客誰だって目の当たりにし、写真に収めることが出来る。

ここから更に西方面を周遊して戻ってくるルートや、既述、西へひた進みシニゲプラッテ(Schynige Platte)から登山鉄道で下山するルートがある。
私は目的地と滞在時間の都合でここから折り返したが、行き交う登山客は皆先にルートを取っていた。確かに、この様な景色が続くなら、まだまだ楽しみたいという気持ちにさせられる。

アルプスの大パノラマに囲まれる絶景を満喫出来る山頂世界のフィルスト。グリンデルヴァルトに来た際には、フィルストにも是非。ここには、ガイドなどで手に入る以上の、良い意味で期待を裏切るレベルの、美しい世界に身を投じることが出来る。ハイキングにたっぷり時間を投じる予定で訪れたい。

グリンデルヴァルト界隈は、ここフィルストももちろん、訪れたい場所が多い。別で周遊のログを記録しているので、こちらも参考に。

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