【モンブラン】これぞアルプス最高峰、高さで魅了する頂上絶景。

ヨーロッパ旅

ヨーロッパアルプスの最高標高を誇るモンブラン。その名を知る人は多いのでは。ここでは、モンブランを間近で見ることが可能なAiguille du Midiを訪れ感じたモンブランの魅力を紹介したい。ゴンドラを利用すれば老若男女誰だってアクセスが可能だ。登山ルートの選択肢も可能ではあるが、特に頂上へのルートは経験を要する

モンブランについて

<アクセス>
意外かも知れないがアルプス最高標高のモンブランはフランスとイタリアの国境に位置する(イメージに挙がるであろうスイスの山ではない)。アクセスは、フランスのChamonixもしくはイタリアのEntrevesから。今回は実際にアプローチしたフランス側ルートを紹介。
Chamonix駅~(ゴンドラ)~Plan de l’Aiguille駅~(ゴンドラ)~Aiguille du Midi駅:約20分

<標高>
Aiguille du Midi駅:3,842m
モンブラン山頂:4,807m(ヨーロッパアルプスの山の中では標高No.1)

<印象ポイント>
出発点Chamonixの標高は1,035mなので、Auguille du Midiまでは実に約2,800mの標高差がある。ゴンドラが登る標高差としては世界屈指だそう。急勾配で最高標高に迫る為、景色の変化が面白い。頂上での360°パノラマもお約束の絶景だ。

上の写真、この旅で乗ったゴンドラのケーブルである。頂上付近の高さでは、ご覧の角度で登る。この勾配と麓まで開けた視界による短時間で変化する雄大な景色が旅を楽しませてくれる。

山と谷が創る自然美

出発地点であるChaonix駅。ここからでは手前の山の背後に隠れ、モンブランの全容が見えない(下の写真の左側)。この段階では、どれほどの山に登るのか、見えないままゴンドラに乗ることになる。期待と不安の中、いざ出発。

登り始めてすぐだ。その不安だけは一蹴される。少し高度が上がると視界が開けてくる。谷間が遠方まで抜けていて、山谷が創る風景に息を飲む。当日は始発を狙った(夏時間06:00頃)が、斜に入る朝日によって出来る山影が景色を更に美しくしている。規模感が麻痺させられるが、周りも全て2~3,000m級の山々だ。

中間のPlan de l’Aiguille駅を越え、頂上へ。この辺りから山の表情が少し変わる。緑が無くなり岩肌が目立ち始め、斜面も急になってくる。標高が高くなってきたことを実感できるようになる。冒頭で触れたが、ここのゴンドラは世界屈指の標高差2,800mを登る訳だが、なんと中間駅~頂上駅間は途中に支柱が無い=駅間でのみゴンドラのワイヤーがぶら下がっている。そのたるみよりも、斜面が急と言うことだ。百聞は一見にしかず、是非訪れた際にはその点も見てみて欲しい。スリルを感じられる。

頂上駅付近で見える風景。遠方の美しい風景に、山の斜面の険しい表情が加わる。

そして・・・そこにガチ登山客。アドレナリン出っ放しだろう。人生でいずれあちら側に立ってみたい。周りに視界を遮る山が無くなってきたら、間もなく頂上だ。

天空の山頂駅が創る非自然美

山頂駅に着き駅舎を出ると、すぐ2つの岩山を繋ぐ橋に出れる(実際は、1つの大きな岩山があり、最頂部に展望台がそびえるつくり。岩山が切り立っているので、連絡通路が橋状になっている。)が、ここに立ち、景色を眺めるだけで来た甲斐を感じられるであろう。下の写真は、その橋から。先ほど見たガチ登山客も、尾根伝いにこちらに向かっているのが分かる。

ここで目の当たりにした恐怖感に近い違和感、それは山頂駅舎含む頂上部の建築物だ。日本人的思考だとまずあり得ない場所にあり得ない構造。これが昔の姿のまま(調べたところ1955年から操業だとか)いらっしゃる。実物を目の当たりにすると、その存在感は外の自然美に負けない非自然美を感じる。

絵にかいたような空中回廊。富士山頂よりも高い。

そしてここ、思った以上に広い。岩山を周回出来るつくりになっている。下の写真は反対サイド。

ちょっと変わったアングルで(1フレームで収まらないのでパノラマで)。写真下方、人が集まっているところが、頂上駅着いて出たすぐの橋。写真上方、展望台となっている頂上部。岩山の中を人が通れるようになっている。よくこれほどの建造物を建てられたものだ。当時の写真や説明も施設内にあるのだが、理解が追い付いてこない(程に断崖絶壁の場所に建っているのだ)。

モンブランは、イタリアからのアプローチも存在する(その場合、ここから氷河を渡った先で国境を越え、Courmayeurと言う町に下りていく)。よって、氷河横断のゴンドラもこの駅に直通している。3連のゴンドラが可愛い。氷河を間近で観るための往復も可能な為、時間と予算に余裕があれば。

ヨーロッパアルプス最高峰からの絶景

山頂駅の高さで既に興奮状態であるが、更に展望台へ登り高度を上げていく。期待通り、いや期待以上、少しの高度上昇でも景色の見え方は随分と違う。名の通り、ヨーロッパアルプス最高峰(級)の視界が堪能できる。

北側=フランス側は、出発点Chamonixを含む地上までを見下ろせる全面パノラマの世界。地図(手元のGoogle maps)と見比べながらその地形を重ねられる程の規模感で地球が眺められる。

南側=イタリア側は、すぐ先にモンブラン(写真では右寄り最高標高の山)と、連なるアルプス山脈。地上から険しく見える山々も、同じ標高で見ると違う表情だ。当日は快晴、空の青、雪山の白、岩肌の黒、のコントラストが美しい。そして雪の反射で光が眩しい。

ここから、先ほど到着した山頂駅を見下ろす(頂上部の展望台からの一枚)。背景の町がChamonix。遠近感が狂わされる景色が当たり前のように目下に広がっている。贅沢な景色だ。

おまけ!?この展望台には”Pas Dans Le Vide”という、写真スポットがある。意味は”空中への一歩”だった。名実ともに空に浮いている感覚になれる。少し並ぶ場合もあるが、こちらも是非。

印象的だったので撮影。建物の中から、イタリア(モンブラン)側を。絵画の様なフレームショット。これが本物の景色として目の前にあるのが信じられない。

ヨーロッパアルプスで太陽に最も近い場所を、手軽に、存分に、堪能。

富士山登山と比べると最高峰に至る道のりは極めて対照的と言えるだろう。異世界でありながら20分で到達できてしまうここが、ヨーロッパ最高峰モンブラン。アルプスの絶景を堪能できる場所だ。

経験と体力が必要であろうからハイキングを楽しむのは叶わなかったが(ハイキングも楽しみたい場合は、中間駅のPlan de l’Aiguille駅から)、滞在だけで十分に満たされる絶景空間であった。

また登りたくなるモンブラン。ヨーロッパアルプスの中でも、自身の中で屈指のおススメの山。機会があれば是非、Chamonix~モンブランへ。写真では伝わらない感動が確実にそこで待っている。

なお、ここで紹介したルートとは丁度裏側を登山電車で登るルートも存在する。モンブランを別のアングルで楽しむ余裕があれば、こちらも是非。味のある登山電車の旅が堪能できる。

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