【モンブラントラムウェイ】裏モンブラン、山の上の秘境駅

ヨーロッパ旅

フランス(欧州アルプス)最高峰のモンブランを訪れるのに最も有名なのはゴンドラでAiguille Du Midiを訪れるルートであろう。この際、あるいは他のアプローチを検討する際、おススメのオプションの一つがここで紹介する登山電車である。Chamonixから電車/車で小一時間の町であるLa Fayetを始発とするこの登山電車は、変化に富んだ尾根伝いを走り、駅とも気付かぬ絶景の山中に終着駅を構える。ゴンドラルートから見るモンブランとは別アングルの表情を見上げながら楽しむハイキングのルートも自由に組める。電車の旅が好きな人には魅力的な旅となるだろう。

モンブラントラムウェイについて

<アクセス>
ラファイエ駅(La Fayet)から二デーグル駅(Nid d’Aigle):75分(登山鉄道)
*シーズン時は人気の割に便が少なく、チケット発券も必要な為、ゆとりを持った旅程をおススメ。
*近隣の起点となるであろうシャモニー駅(Chamonix)からラファイエ駅まで:30-45分(車/電車)

<標高>
二デーグル駅:2,372m(登山鉄道の駅としてフランス最高標高駅)

<印象ポイント>
道中、可愛い駅と車両、美しく変化に富む車窓の景色が登山鉄道の旅に彩を与えてくれる。終着駅や駅を起点に広がるハイキングルートで拝める絶景もポイント。一旦終着駅に向かい、周辺を散歩しながらその日のコースを考えるのも楽しい。

ミニチュアな駅から始まる登山列車の旅

この度の登山鉄道の始発駅のラファイエ駅前。鉄道旅の熱狂者で無くとも、電車乗車前から旅意欲がくすぐられる(既にそのつもりで来ているのでテンションマックスだが)。写真右手が駅なのだが、小さくておもちゃの駅を彷彿とさせる。左手が登山電車、こちらもレトロで愛着がある。電車内装も外装同様、綺麗だけどレトロ感で統一されていた。今回往路で乗車したのは”ジャン”号。調べて知ったが、他に”マリー”号、”アン”号、そして2023年からは”マルグリット”号が加わり、全4名(号)でこの登山鉄道の旅を迎えてくれている。名前は写真の通り、車両の顔を見れば分かり、それぞれが違う車体色になっている。旅に彩を与えてくれるプチ演出だ。

このミニチュア駅、国内主要都市を結ぶスイス国鉄のラファイエ駅(同名)の目と鼻の先にある。写真の奥がそれ。アクセスは容易だ。

全行程をこの登山鉄道一本で進む。写真上、最も高く切れてしまっているのがモンブラン。Auguille du Midiからモンブランへアプローチするのが主流のルートだと考えれば、こちらは裏ルートと言って良いだろうか。

車窓から。出発後暫くは、高い木々に囲まれ軽い森林浴をしながら高度を上げる。それは束の間、徐々に視界が開けてくる。

工程の殆どは、視界が開けた遠景を楽しめる。天気が良いと最高に気持ちが良い。

高度が高くなってきた後半はずっとこんな感じ。登って来た線路が遠方まで見える。

同様に進行方向も。急勾配がこれからの道中をワクワクさせてくれる。

肌で感じる最果て感、駅無き駅、目前のパノラマ

頂上の二デーグル駅。駅と言うが、線路上に止まっているだけ(厳密には、これ以上は線路が続いていないのでここまでで止まるしかないという状況)。電車を降りると、すぐ展望スペースを兼ねた広場が広がっている(山の斜面に線路が走っているのだから当然の立地か)。展望スペースのベンチはある意味絶景(安全対策は無いので、ちょっとでも前進すれば斜面から落ちてしまう場所にベンチが)。色々ある突っ込みどころだが、いずれも僻地・秘境感を引き出してくれていてかなり印象に残る場所だ。

登山電車がいなくなった後の駅(ただの線路)。線路の終焉。すごいところに停車する。

ベンチのからの絶景。アングル変えるとこんな感じ。伝わるだろうか、直接目に飛び込む絶景が手に入る特等席だ。

この先、更に高度を上げるには徒歩となる。ちゃんとしたハイキングルートが存在しているので、時間と体力の都合でアレンジができる。こんな場所でもハイキングルートはそれなりに整備されている。ここに限らずアルプス山々にあるハイキングルートはどこも綺麗な印象。ニーズは高いのだろう、美しい景色に囲まれた中で最大限に自然を堪能したくなるのは分かる気がする。

どの駅からも楽しめる裏モンブランハイキング

折角なので、他のハイカーに混ざりハイキングルートをかじる。高標高の山々は、万年雪及び氷河があるのでその白が日光の反射で更に輝く。青空と手前の緑とのコントラストが美しい。アルプスハイキング、おススメだ。

駅から10-15分程で避難小屋に到着。避難小屋と言っても、シーズンの日中には中の売店で飲食も楽しめる。この景色の中で食事とは、贅沢の極み。

この景色。

ただしご注意。モンブラントラムウェイと名は付いているが、モンブランを見るには条件が必要な様だ。と言うのは、登山電車自体はモンブランの山腹を登っているに違いは無いが、モンブランの頂が常に電車から見えるルートではない。ハイキングルートも然り。モンブランそのものを見るのが目的、モンブランを見るためのハイキングをする程の余裕はない、などといった場合はここはオプションとはならない。フランス方面なら、Auguille du Midiからのアプローチをおススメする(最下段にリンク掲載)。

ハイキングルートは当工程の全駅に連絡している。二デーグル駅のみならず、途中駅下車にて、それぞれの希望に沿った旅を楽しむことが出来る。途中駅の周辺では、反対側の景色も楽しめた。上写真は、Auguille du Midiに向かう拠点となるChamonixを眼下に収めている。この辺りをハイキングする場合は、歩きの速度でゆっくり360°の絶景を楽しめるだろう。

登山電車の旅の醍醐味を存分に味わえる時間

ラファイエから二デーグルに至る旅、ここは登山電車の味を存分に楽しむことの出来る旅となった。特に電車の旅をテーマとする場合には、検討すべきオプションになるだろう。

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