スイスの名だたるアルプスの山々と比べてしまうと知名度は落ちるが、スイスの現地観光ガイドではしっかり名を連ねてくる山であるピラトゥス。スイスの中央やや北部に位置する街ルツェルン、ここ発着で日帰り周遊が出来るプランで訪れた。ピラトゥスで独特に味わえた感動をログしたい。
ピラトゥスについて
ルツェルン駅~Alpnachstad駅:約20分(鉄道) + Alpnachstad駅~ピラトゥス駅:約30分(登山鉄道) / ルート①
ルツェルン駅~Kriens:約30分(バス) + Kriens~ピラトゥス:約35分(ゴンドラ) / ルート②
ピラトゥス標高:2,132m
世界最急勾配の登山電車は乗る価値あり。周遊も可能な為、片道乗車も可。
ルツェルン駅~Alpnachstad駅間は湖岸フェリーのオプションもあり。時間が許せば湖からの景色も楽しんで。
ピラトゥスは、公共交通機関で繋がるルツェルンから2つのルートで気軽なアクセスが可能。往復するよりも、違う景色が拝める周遊が個人的には好みだ。どちらのルートも往復/周遊で使えるので、都合に合わせたプランが組みやすい。
別ログで記録するが、起点となるルツェルン自体も魅力ある街だ。周辺には、絶景ながら緑が多く長いシーズンハイキングを楽しめるアルプスの山々が多いのが特徴。ルツェルンでピボットする旅もおススメだ。
世界一の急勾配を謳う登山電車から、車窓の変化と勾配のスリルを楽しむ。
行きは、ルツェルン駅から湖畔を走る鉄道に乗り、登山電車に乗り換えピラトゥスに向かうルートを取った。鉄道駅から登山鉄道駅の乗換地から見た登山鉄道駅。山の斜面を登る鉄道(赤ボディが映える)が出発早々いいアングルだ。
証拠写真、これが世界一急勾配の登山電車です。こう言うの好きなの、日本人だけなのだろうか。
写真では伝わらないと分かっていながら、思い出に撮ってしまう。一応重力に垂直方向に撮ったつもりだが、どこが水平か分からないし、少し水平感覚も麻痺している。斜め感を常に感じながら登っていく。
途中、森林限界を超えた先、山頂が見えてくる。ここに駅があって建築物が存在する、何とも不思議な感覚だ。
降車後、上から駅を。勾配感が分かる。これに乗ってきたのかと思うと少しドキドキが蘇る。スピードは遅いが、アトラクションに乗った感覚を十分に堪能できた30分であった。
山頂からの景色、見応え十分。
ピラトゥスは、駅から幾つかルートが設けられている。ピラトゥス山頂や、それと別の展望台へのルートもあり、ここに来ただけの旅行客も軽いハイキングが楽しめる。もちろん下山用のルートもあり、本格的なハイキングも可能だ。
私も、軽いハイキングコースへ(急傾斜だけど)。上に行くほど、パノラマ感は楽しめる。
ピラトゥスから南に向かって。遠方に、万年雪を被るアルプス群が見える。有名なアイガー、メンヒ、ユングフラウも含まれている(はず)。
ピラトゥスから北に向かって。こちらの表情は対照的、開けた平地だ。標高差を感じる。ルツェルンの街や湖が正に「目下」に広がる。現在地、空。
雲があったせいか、かなり上空にいる感覚が得られた。ゴンドラが雲の中から現れる絵は、何とも堪らなかった。どこから来てどこに行くのか(帰りはこれに乗るのだが)。
山頂での時間、ザ・至福の山旅。
ここを訪れたのは5月。一部雪が残っているものの、太陽が昇ってくると暖かい。このエリアの山は、スイスやや北部に位置し標高も少し低くなる為か、緑も多く、レジャー色が濃い印象だ。人々がより活動的になれる山頂なのだろう。ヨーロッパの休日の風景がここでも見れるとは。
ここでのパラグライディング、正解だと思う。上昇気流に乗って結構上まで上がっていった。どんな世界に見えるのだろう。
丁度タイミングが良く、ホルンの演奏隊もいらっしゃった。どうやって持っていらしたのか、聞くのを忘れて聞き入った。
山頂であれどこであれ、心地良いところで、心が赴くがまま過ごす。そんなライフスタイルが入り交じる場所であった。ただこの場所でこの空気に触れているだけで満たされる、最高の山旅だ。そんな今日に乾杯。
帰りは雲の中に消えるゴンドラに乗りルツェルンを目指した。雲を抜けると、また青空が。日帰りで気軽に雲の上下を行き来した旅でもあった。多彩な景色を楽しむ周遊旅であった。
緑のアルプスもアリ。
標高だけでは測れない絶景と楽しみ方が、スイスアルプスにはあった。この旅以降、私は緑のアルプスが好きになり、他の緑のアルプスにも足を運ぶに至った。
普段の生活環境から隔たれた、絶景と標高が生む美しい世界。そこで少し豊かな気分になった自分だから気付く自分の感性。時々はこんな時間に浸りたい。
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