日本人としては余り馴染みのない名ではなかろうか、ティトゥリス。この山もスイスにおいてはおススメの名峰として認識されている。ここは、山そのものはもちろん、共存する人工施設にも特徴があって面白い。緑豊かな季節に訪れると、彩の変化が感性を強く刺激してくれる。
ティトゥリスについて
ルツェルン駅~Engelberg駅:約45分(鉄道) + Engelberg駅~ティトゥリス駅:約25分(ゴンドラ)
ティトゥリス標高:3,238m
道中の、世界初の回転ゴンドラ、ヨーロッパ最高標高のつり橋も楽しもう。
ティトゥリスも、ルツェルンからの日帰りが可能な山。他のルツェルン発着の山と違うのは、その標高の高さだ。緑豊かな景色を長いシーズン楽しむことができながら、山頂まで行けばいわゆるアルプスの白い世界も開けてくる。ルツェルン周辺の緑のアルプスシリーズで幾つかアプローチ可能な山はあるが、アルプス色を強く感じるならここではないだろうか。
有名・本丸のアルプスの山々とは違う毛色のアルプスを楽しむなら、ルツェルン周辺はおススメできるエリアだ。緑美しいアルプスを気軽に楽しむという目的において、確実に候補に入るだろう。
世界初の回転ゴンドラで、パノラマ遊泳して頂上へ。
今回の旅はゴンドラの麓駅であるEngelbergから。この日は、8月の晴天日(もちろん狙って)と言うことで緑が美しい。
山頂を目指すゴンドラに乗り換える為に、小さめのゴンドラでまず2駅程登る。道中から景色は開けてくる。高い木々は無くなり、岩肌が露出した雄大な山々が目の前に入ってくる。下の写真は、途中駅に隣接するTrubseeと言う名の湖。周りの景色が湖面に映し出され、何とも言えない美しさだ。
山頂の直前の駅でゴンドラを乗り換える。ここで本日のアトラクション第1弾、世界初の回転ゴンドラに乗車となる。回転床がロープからぶら下がっていると言えば伝わるだろうか、床全体がゆっくり回転しながら頂上を目指す。そんな作りの為、ゴンドラ自体の形状もほぼ円柱形だ。
場所取り不要、乗車客が全員、360°全方位のパノラマの絶景を楽しむことが出来る。個人としては、足元の景色も楽しめた。直進して過ぎてゆく景色に、回転が加わり、通常のゴンドラでは味わえない不思議な感覚だ。
ヨーロッパ最高標高のつり橋で、スリルも味わう。
山頂に着き、まずはお約束のお楽しみ、アルプスを一望する絶景パノラマ。ティトゥリスの周辺は、丁度万年雪の山の北限になるのだろうか。南方は、訪れた8月において山頂に雪を残す山々が遠方に見え、その手前は夏の山らしい緑さを放っている。自然の色の変化が美しい。
少し目を西に移すと、標高高めのアルプスの山々が迫っている。ここ、ティトゥリスもこの並びなのだと地理的に実感できる。
少し目を落とすと気になるものがあった。本日のアトラクション第2弾、クリフウォーク。つり橋になっているのだが、ヨーロッパで最高標高にあるつり橋とのこと。足元スカスカで、それなりに長さもある。
と言うことで、もちろん行ってみる。ちゃんと揺れる、ちゃんと軋む、ちゃんと下見える。絶妙なつり橋の感じで、スリルを与えてくれる。
なお、ゴンドラの山頂駅は、ティトゥリスの山頂には立っていない。この界隈からティトゥリス山頂に繋がる登山道はあり、アプローチは可能な様だ。が、8月でこれなので雪道対策は必須(ということで山頂トライは断念)。下山の方向でハイキングを楽しむことにした。
ハイキングも景色の変化を楽しめる。
往路は、回転ゴンドラを降り、その乗換駅から先ほど見たTrubsee湖畔の駅までをハイキングすることにした。前半は、岩場が多く少し歩き難い。丁度その日の雲の高さだったため、雲の横を歩いたのは新鮮であった。
後半は若い緑色で地面が埋まる様になる。雲の隙間から、往路で乗ってきたゴンドラが姿を見せる風景は神秘的。
Trubsee付近は、雰囲気通り、ハイキングを楽しむ訪問客で賑わっているエリアの様子。アスレチックや公園が併設され、飲食施設も充実している。憩いの場と言ったところ。
いつもの一杯(乾杯ショットを忘れてしまった)を終え、満足して帰路に。今回も心を洗われた山旅であった。
様々な色の変化を見せるティトゥリスに大満足。
戻って感じたことは、色々あって充実感が得られたということ。
ティトゥリスでは色んな感覚をくすぐられた。自然が創る景色が多彩に変化することによってもたらされる感動、人工に造られたものが緊張感を伴わせることによってもたらされる感情。色んな感覚を味わえた場所であった。
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