ゴルナーグラートとマッターホルン。切っても切り離せないこれらのスポットの名は聞いたことがある方も多いだろう。その名に引けを取らず「訪れる価値は十二分」であった。ここでは、登山鉄道で訪れたゴルナーグラートで得た感動をお届けしたい。
ゴルナーグラートについて
ツェルマット駅(登山鉄道駅)からゴルナーグラート駅:約40分(登山鉄道)
ゴルナーグラート駅:登山鉄道の地上駅としてヨーロッパ最高標高(3,131m)
鉄道とそれに沿ったハイキングルートから眺めるアルプスのパノラマは必見。
麓の街のツェルマットを訪れる場合、基本的にはスイス鉄道のツェルマット駅に降り立つと思う(この街は観光目的の車両は入れない)。ゴルナーグラートに向かう登山鉄道の駅は、そこの目の前ということもあり非常にアクセスが良く、後述する通りアルプスのパノラマを満喫出来ることから、非常に人気がある(のだろうと推察する)。
ツェルマット周辺には、ゴルナーグラート然り、アルプスを楽しみ尽くす為のアクティビティのオプションが多く整えられている。それに魅了されることが分かっている方(おそらくこの記事を読まれる皆様は対象)はツェルマットでの複数日滞在はマストだろう。ここはゴルナーグラートに関してのログとなるが、その他のオプションも別ログで紹介する。
麓駅を出発、山々とツェルマットの街のコントラストを楽しむ。
ツェルマットの街中から登山鉄道の旅出発、程なくして視界が開けてくる。美しく整ったツェルマットの街と、その背景に鎮座する山々とのコントラストが見事だ。見たことある写真が簡単に撮れる。(上はマッターホルンをバックに。下は街に隣接する西側の山をバックに。どのアングルも撮り飽きない。)
森林限界を抜け、小さくなる街と雄大さが増すアルプス、視界の多彩な変化を楽しむ。
歯軌条鉄道じゃ無ければ滑り落ちるんじゃ無いかと思う角度を力強く登り始める。高い木々が風景から消え始めると本格的なアルプスのパノラマがお目見えしてくるようになる。刻々と標高が高くなるにつれ変化する視界の違いにより、見える世界が全く変わる。この変化が鉄道の旅に彩を与えてくれる。(上はマッターホルンをバックに。下は街に隣接する西側の山をバックに。先ほどの写真の視点高いVer。街が点になった。)
アルプスの風景はもちろんだが、こんなところを走る鉄道の風景も私には新鮮。なぜこんなところに鉄道を?よく作ったな。
実際に乗っていると気付くが、鉄道に沿ってハイキングルートも整備されている。鉄道駅は全長で途中駅が幾つかあり、自身のレベルと所有時間に応じてハイキングの計画も立てやすい。帰路はどうしようか考えているうちにもう頂上だ。
頂上駅に到着、4,000m級の山々に囲まれたアルプスのパノラマに息を飲む。
駅から少し上ると、展望台やレストランがある。まずはここからの眺めを残したく写真に収める。標高の高いアルプスの自然と人工の登山鉄道駅の融合、なんだか不思議な感覚だ。奥にはマッターホルン。
目に入るのは特徴的なマッターホルンだが、ここはそれだけでは終わらない。360°見渡す限り3~4,000mクラスのアルプスの山々。南側に目をやって視界に入るのは、モンテローザ(標高:4,634m)とゴルナ―氷河。ここからだと近すぎていまいち分からないが、モンテローザはアルプスの山の中で標高No.2の大山群。(写真中、左側。)
美しい世界に浸りながらの一服、至福でしかない。
となれば、帰路に備えて私も(山頂恒例の一服)。
そういえば、山に登ると良く目にするこれ(ケルンというらしい)。ここは非常に上手く積みあがっていた。何撮ってもいいショットになる。
帰路の途中下車、自分の足と目の速度で、スローな変化も楽しむ。
帰路はやはり、違う道で違う景色も味わいたい。頂上駅の一つ下の駅で下車、その次の駅までの1駅区間をハイキングする。ゴルナーグラート鉄道は、全長のチケットであれば途中下車は自由、気が赴くまま好きなコースを進める。
もともとこのコースをハイキングしようとは思っていたが、往路の車窓からの景色を見て最終確定した、ここで間違いない。結果、どこも間違いなかったので、もっとハイキングルートに割いても良かったとすら思った。アルプスの景色からの誘いが半端ない。写真は、道中のリッフェルゼー湖とマッターホルン。逆さマッターホルンで有名。
鉄道のスピードだと見逃す、あるいは味わい切れない風景の連続。好きな場所で足を止め、好きなだけ時間を使う、これが正解だろう。スローになることで見えてくる世界がある。自分の感覚に素直になるには、マイペースが一番だ。
登山鉄道を見るのも背景も手伝って良い旅の1ページとなった。
訪れる価値は十二分。
ゴルナーグラートは、写真や動画での事前情報も多く期待高めて訪れる方も多いだろう。実際はその期待を越えてくる(私はそう感じている)。十二分の価値とは、実際に五感で感じてこその価値だ。
控えめに言って写真では全然伝わり切らない魅力がそこにはある。是非、直接感動を味わって。
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